10 偽りの希望を与える。喜ばせる

(一) 堕落論・実は希望だという

平成七年五月一九日付 原告A証人調書 八一頁
あなたは堕落論の話を聞いて、先ほど言った家族の中での葛藤、これをとらえなおすということができたんでしょうか。
そうですね。人間は堕落して、本来の姿ではなく、サタンの主権下にあると。本来の人間の姿ではなく、万物、物より劣る立場ですと。だから、本然の姿ではなく、今の世の中は狂ってきていると。真理を知らない両親は、統一協会では真の家庭と言いますけれども、そういうものを築くことはできないと。だから、理想の家庭でなくても仕方なかったじゃないかと。じゃ、私がこれを学んでいかなくてはいけないというふうに思うように変わっていきました。

平成九年五月二三日付 原告証人b証人調書 九一頁〜九二頁
先ほどの罪観のところに戻るんでけれども、自分が例えば不倫をしてしまったという女性がいたとしますね。それは大変な罪ですね。
はい。
その罪は何のせいだというふうに言うんですか。
結局、原理でいえば原罪から始まって連帯罪、遺伝罪という遺伝、仏教用語でいえば因縁からくるものですというふうに説明します。
あなたのせいではむしろなくて、因縁のせいなんだと、だから因縁をはらさなきゃいけないと。
はい、そうです。
じゃ因縁をはらすために頑張ろうということになるわけですね。
はい。

(二) メシアがいる。罪人にとっては信じられない希望

平成八年七月五日付 原告A証人調書 三一頁〜三二頁
そうすると、その時期というのは。
メシアが存在する時代にあるというふうに。
今ここにメシアがいると。この地球上に。そういった講義をするわけですか。
はい、そうです。
先ほど聞いたんですが、メシアがいないと人間は救われないわけですね。
はい。
再臨のメシアということになると、少なくともイエス・キリストから考えて二〇〇〇年ぶりということですか。
はい、そうです。
今後二〇〇〇年たったら、またメシアは来てくれるんですか。
これが最後の摂理だというふうに言われたと思います。
そうすると、これを逃したら救われないんだ。
はい。三段階、三人目のアダムとエバというふうに言われているので、もうあとがないような意識を持ってます。

平成八年七月五日付 原告A証人調書 三三頁
そのような話を聞いて、あなたの心の中にはどんな感情が生まれましたか。
すごい時代にこの話を聞いてしまったなと。

平成一〇年二月二〇日付 原告証人c証人調書 五二頁
メシアが今この世の中にいるということは、あなた方人類、堕落人間にとってはどんな意味があるんでしょうか。
ものすごい救い。
メシアがいなければ、どんなに立派な人でも救われないんですね。
はい。

甲第一二九号証 動機の成長と教育 三枚目〜
八 メシヤは私にとって絶対必要です。
 メシヤの必要性を実感している。個性完成の為、家庭完成の為、主管性完成の為、原罪の精算の為、真理を知る為、神の事情心情を知る為、地上・天上天国実現の為。

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月六日
・講義の感想(復活論)
 また、現在が完成復活摂理時代ですということはビデオなどで知っていたが、またそれとは違った驚きみたいなものがあった。再臨主により、努力次第で生霊体となり天国へ行けるということがその点です。何もしていないのに、すごくいい時代に生まれたと思った。そして中心人物として立つための条件を初めてみたとき、これは自分には絶対にないような気がしたが、主任の話を聞いているうちに、やっぱり神に導かれてここまできたのかなという気になった。

乙ハ第一六五号証 原告S 「ゲストカード」 三月一八日
「メシヤ論」所感
 イエス様の事は今までふれる機会がなかったとのこと。十字架に掛からなければならない訳を話し、又、再臨主の存在を話すと涙を流す。勉強を一生懸命すすめられた意味が分かったとのこと。

(三) 落ちこぼれにも希望を

平成九年三月一四日付 原告証人a証人調書 五四頁
そういう話とか、メシア論や主の路程での大変な活動、そういった活動の話を聞いていると、僕にはとても無理だというふうに思う人はいませんでしょうか。
やはり出てきます。
そういった人に対しては、何か手を打っているんでしょうか。
第二日目と第三日目の朝には朝拝というのがある。三日目の夜に講和があるので、そういう中で朝拝を担当する人が自分自身のあかしとして、自分はこんなに落ちこぼれのような立場だったんだけれども、今こうやって頑張っていられるから、きっと皆さんも大丈夫ですよというような話をします。

甲第一四三号証 新生トレマニュアル 一八頁
信仰生活講座二日目
 本当に信仰生活は希望だ!という証をする。(班長自身の証など)アダム・エバ問題の講義の後落ち込んでしまう人が多い。心配な人→その日のうちに面接。

(四) 罪が清算できる。心情解放展
 これが偽りであることは「清算しても湧いてくる罪の思い」で説明したとおりである。
 だから、罪の清算のためと称して献金をさせるのは詐欺に等しいのである。

甲第二四〇号証 原告証人a陳述書 三六頁
 心情解放展とは原理を聞く前に犯した罪を神の前に全て明らかに報告して、これからの人生は原理に従った罪のない人生を送ること、すなわち過去の自分を否定して新しい自分に生まれ変わるための儀式です。

甲第二四〇号証 原告証人a陳述書 三七頁
 罪を償って新しく生まれ変わるために、万物を神の前に捧げなければならないという教えに従って献金を勧めます。講義している私たちは貯金をたくさん持っている人に様々なプレッシャーがかかるようにしていました。

甲第一五一号証 谷紗織新生日誌 一八頁
 昨夜から今朝にかけて真鶴の地で決断式を行いました。自分の二〇年間の因縁をすべて焼却し、新生トレのフィナーレとして新しく生まれ変わってこられた、そんな思いです。私は特に氏族のメシヤとして日本人として、このエバ国をささえていく一人として五%の責任分担をはたして行くことを決意しました。万天の星空の中での祈祷と兄弟姉妹たちとの交流を通して一人一人の小さな思いがお父様によって一つとなって大きな力となっていくことを実感し、またこの新生トレのメンバー一人一人がみ言を伝道することによってその和が大きく広がって世界を統一し、地上天国を実現していくことが出来る。そう実感して帰ってきました。

(五) しかし、蕩減が必要
 
甲第一一六号証 ○○○○○○受講ノート二 五頁
緒論 原罪で堕落、堕落人間となって元に戻る、それを復帰=再創造それがサタン分立路程、メシヤを迎えて原罪精算(新生)、メシヤと共に更に成長、創造目的完成
サタン分立 堕落人間はサタンと血縁関係ですので神の元に戻るのに蕩減条件(罪の償い)の条件をたてなければいけない。蕩減条件には三つある。失ったものと同一の価値、失ったものより小さな価値、失ったものより大きな価値を犠牲にして元へ戻る。

11 恐怖を与える技術
 人は通常恐怖を自覚しないで生活している。世の中普通は安全で、平和で、喜びの方が多い。ところが、統一協会は人に恐怖心を持たせなければならない。そうしなければ人を統一協会の組織に捉らえ続けることが難しくなるし、統一協会の指示する狭い目的の範囲にその人の活動と意識を緊縛し続けることが難しいからである。
 統一協会にとって人に恐怖を与える最大の武器は霊界や霊である。人は死んだら「霊人体」となって天国に行き永遠の生命を生きることになっていると教える。その「霊人体」は肉身を持たないので、すべてが透けて見えると教える。心の動きのすべてが他人に見えるだけではなく、思ったことがそのまま実現してしまう世界なのだと教える。そう言われると私達の日常においては心と行動がいかに相違しているかが、思い知らされる。また、そのような心の動きが霊人体にキズをつけているという。そうだとすると自分の霊人体はキズだらけはずである。このままでは地獄に行くのだと恐怖をいだく。
 ここで注意しておかなければならないのは、霊や霊界の存在は統一協会員にとって、リアルなものだということである。ヴァーチャルなものをリアルに存在すると感ずることができるのは人間の特性である。迫力満点の映画を映画館で見ているとき、我々は映画の世界に没入している。その時には、ヴァーチャルな世界がリアルで、現実の世界は我々の意識の中には存在しない。しかし、映画への没入は醒めていく。白昼、映画館をでた後、現実世界への違和感を感じつつ、ほぼ間もなく、映画の世界のことを忘れていくのである。ところが、統一協会員は、霊や霊界の存在について我々が映画を見ているような感覚を体験し、その後もその感覚が醒め切らない状態にあるのだと思われる。そのような状態であるとすれば、霊や霊界の存在は恐怖である。
 なお、霊などに対する感受性は人によって異なる。そのような超自然的なものの存在を信じないと強く思っている人がいる。統一協会はそのような人を勧誘の対象にはしない。したがって、統一協会の教育過程に参加してくる人たちは、霊や霊界について「あるんじゃないかなぁ」程度の認識を持っている人たちが多いのである。そして、日本人の中では、霊などの存在を信ずる人たちのを含めると、そのような人たちの方が遙かに多数派なのである。
 二デイズ修練会では吉展ちゃん事件などいろいろな事件を例にあげて先祖の因縁について語る。ライフトレーニング以降恐怖を与えるものはサタンとその人間社会における現実体である反対派や共産主義者になる。
 人間は堕落してサタン世界に存在していると教える。そのサタン世界から抜け出て神の世界に戻ることが当面の課題とされる。そのためには、サタンすら屈伏するような超人的で完壁な活動をしてサタンを「分立」していかねばならない。そうでなければ、サタンの「ザン訴権」は消えず、「ザン訴」されば地獄に落ちることになるのである。そうすると自分の日常の活動が恐怖に支配されるようになる。例えば、路傍伝道で一瞬人に声をかけることを躊躇したとする。躊躇すればその人は歩いて行ってしまうので、その人への伝道は出来ないことになる。その人と霊界で一緒になったとき「あの時、なぜ声をかけてくれなかったの」と言われたらどうしょうと恐怖に捕われるのである。自分の躊躇でその人の永遠の生命を救う機会を失わせたからである。その人がそのことをサタンに告げたら自分の活動は完全ではなくなり、サタンの「ざん訴」によって天国に行けないことになる。このようにして日々の活動自体が恐怖の源泉に転化するのである。
 統一協会員は統一協会にいるかぎり恐怖から逃れることはできない。

(一) 地獄・文鮮明などの説教

甲A第一〇号証 ファミリー(一九八三年七月) 一一、一二頁
文鮮明の説教
 「この世的に見れば、先生のやり方は最悪ですが、天的に見ればそれは最善のことなのです。青年たちが自分の国の発展のために犠牲となっても、それを喜び、決して不平を言わないという伝統が立っている国は必ず栄える。
 この方式に対して不平をいう人はすでに下降線をたどっている人です。下降して行き着く先はどこですか。地獄です。統一教会に入ってきた後で、何かほかに良いものを求めて教会を去って行く人は、必ずいずれはみじめな立場にならざるを得ません。その意味で統一教会というところは恐ろしい所です。ここではどっちつかずの生ぬるい立場は許されません。」

甲A第四号証 ファミリー(一九七八年一月号) 四二頁
教育部長 澤浦 秀夫
 統一協会に入って来て、伝道を一度もしないで、霊界にいけばおしになる。信仰の三人の子女をたてなければ、七年路程は無効になる。信仰の三人の子女は三大祭物に該当する条件物です。それ故に信仰の三子女がなくしては神様の前に復帰されない。信仰の三子女を立てておかなければ、自分の子女を愛する事ができない。原理は、救いと裁きの交叉するみ言です。

乙ハ第八号証 岡村信夫 陳述書 五四頁
 霊人体は、肉身を土台にしてのみ成長します。・・・霊人体は霊形体、生命体、生霊体という段階を通じて成長し、完成するようになっていますが、生霊体を完成した人間が地上天国を実現して生活した後、肉身を脱いで生活するところが天上天国であります。

乙ハ第八号証 岡村信夫 陳述書 五五頁
 人間始祖の堕落により堕落性を持った人間達が、(神の願いから外れた)悪の子女を繁殖して悪の過程と悪の社会、悪の世界を作りました。これが統一原理でいう地上地獄であります。地上地獄で生活した人間が肉身を脱いで霊人として生活するところが天上地獄であります。

(二) 地獄へ行く。講義の内容等

甲第二四〇号証 原告証人a陳述書 一一頁
二 講義内容
 サッカーの後は、霊界の存在、霊人体の説明、肉身生活の意義などの講義で、要は今のまま霊界に行くと悲惨な地獄が待っているという内容で恐怖心を植えつけるのです。

平成一〇年一二月一八日 被告証人E 証人調書 八二頁
サッカーの後、午後に残りの創造原理の講義をいたしますね。
はい。
その残りの創造原理の講義というのは、人間を中心とする無形実体世界と有形実体世界という題ではないでしょうか。
はい、そうです。
甲第一一六号証を示す
一〇四号証のノートが終わって、一一六号証のノートに行って、その二ページ目の冒頭に書いてありますが、この講義がサッカーが終わった後にあるんですね。
はい。
このノートは、要するに霊界の存在、それから霊人体の成長、それから自分が今生きている肉身生活の意義、そういった講義になりますね。
はい。
肉身生活の意義の中で、肉身生活中の六〇年から一〇〇年の間に、自分が背負っている霊人体、簡単に言えば魂だと言っていいと思うんですが、それを成長させないと霊界では天国へ行けないと、こういう説明になりませんか。
天国へは行けない・・・まあ、生きている間に霊人体を成長し完成させようということを言っているわけです。
成長させ完成させないと、、恥ずかしくて天国には入っていけないということも含みますね、当然。
そうですね、恥ずかしいというところは余計ですけれども。
そうすると、受講生にとってみれば、今のままの生活では霊人体が成長しないと。為に生きる生活をしないと霊人体というのは成長しないんだと、こういうメッセージになりますね。
はい。

平成七年五月一九日付 原告A証人調書 七三頁〜七六頁
生きている間の行いによって、行ける霊界の種類が違うという説明は、あなたに何らかの影響を与えましたか。
この世で悪いことをすれば、それが霊人体に刻まれていくということで、善悪とか、そういう真理を知らぬままに死んでしまうと、行く先は地獄なのではないかというふうに考えるようになり始めました。
あなた自身、その話を聞いた時点で、自分の霊人体はどうなんだということを考えませんでしたか。
余りきれいなものではないというふうに思ったと思います。このままではいけないなというふうに感じましたので。
何か身に覚えがあるんですか。
それほど大きなことではないんですけれども、思ったことだけでも罪ですというか・・・善と悪の話の中で、何かをしてしまったから罪だというのではなくて、自分の感情に沸き上がってくることが罪だというふうに言われるので、たとえ表面的にはいいふうに装っていても、自分の気持ちの中に沸き上がってくる感情は悪いことも多数あると。それまでは自分は人にも迷惑を掛けずに割りと人当たりよく生きてきたけれども、それはただ表面に出してないだけであって、実は人に対して決していいとは言えないような感情も起こっているし、そういうことが積み重なっているような感覚になっていたので、そういうふうに感じたと思います。
思うだけで霊人体は駄目になっていくと。
そうです。
あの人のことなんて大嫌いと思うと、それで霊人体に傷が付くと。
顔に出さなくても、その思ったこと自体が霊人体に刻まれると。
そういうふうに言われてしまうと、身に覚えのあることはたくさんあると。
そうですね。
それでも、霊人体に傷が付いたつて、だれも見えないんだから、そのまま生きていけば何ともないんじゃないですか。
死んでから精霊界で自分の人生を映像のように見せられると。そして、天国に行くか地獄に行くかはあなたが判断するんだということを言われるんです。自分の中には自分の行った罪とかは刻み込まれているわけですから、ごまかすことはできないと。
一七枚目を見てください。下から七行目に「霊界の前に、精霊界というところがあるといいます。よく四九日といいますが、この間○○さんが死ぬまでどんな生き方をしたか、走馬燈の様に見せられるといいます。全て霊人体が記憶しているというのです。自分でも見たくないことまで、全部見せられるというのです」とあるが、このマニュアルどおりのことが説明されたわけですね。
そうです。
そうすると、あなたのほうとしてはどんな気持ちになってきてしまうんでしょうか。このままでは自分の霊人体はきれいじゃないと。地獄に行く以外にないと。
地獄というか、いい霊界には行けないという恐怖感を持ちました。

甲第一二九号証 動機の成長と教育 三枚目〜
7 私は生まれ変わらなければならない存在ですと自覚する。
今のままでは間違いなく地獄へ行く。三大祝福を完成できない。

 間違いなく地獄に行くと認識するようになることが要求されているのである。

(三) 霊界を信じさせる。

甲第一一六号証 ○○○○○○受講ノート二 二頁
肉身生活の意義
@ 霊人体の成長と完成 霊形体:アブラハム。生命体:イエス。生霊体:天国。
A 霊人体の感性の育成 愛の感性(子女の愛、夫婦の愛、父母の愛)→地上でのみ
B 霊人体の繁殖
C 犯罪→肉身で贖罪

平成七年五月一九日付 原告A証人調書 七一頁
後出の甲第八四号証を示す
ビデオのあとのアフター、和動のときのマニュアルですけれども、一四枚目を見てください。「真実の愛の世界」という表ですけれども、死んだら人間は土に戻りますね。
はい。
統一原理では残るものがあるんでしょうか。
肉体がなくなったときも霊人体のみで霊界に行くと。その霊界にも段階があって、霊人体のレベルによって行く場所が決まっていくんだという内容だったと思います。
「真実の愛の世界」という表のところに「天上界」として丸く囲まれていてしかも「発光」とある。これは何が発光しているという意味なんですか。
霊人体というものが。
「中間」のところでは「反射」とあるが、これも霊人体が反射していると。
はい。
「地獄界」は「真暗」となっていますが、これは霊人体が真っ暗だと。
はい。
人間の持っている霊人体のレベルによって、行ける霊界の先が違うということなんですね。
そうですね。
霊人体が発光したり真っ暗になったりするのは、どうしてだと教えるんですか。
この世で悪いことをしたことが、霊人体に刻まれる、記憶されるということで。
悪いことをした場合には刻まれて、霊人体はどうなっていくんですか。
黒くなると。
いいことをしたら、その霊人体に影響を与えるんですね。
そうですね。
それで霊人体はどうなっていくんですか。
善なることを積み重ねて、それは生きているうちにしなくちゃいけないと。
生きているうちに、霊人体を発光するものにしていかなければいけないと。
はい。

乙ハ第四〇号証の一一 原告証人a 感想文
霊界の存在について、どう思いますか。
 霊界の存在が、ひじょうに身近になったような気がします。また、霊界の存在によって、この世だけが全てではないということになり、希望みたいなものがもてた。

乙ハ第一七八号証 ビデオ人生の目的から見た永遠の世界 二頁
 そして、霊人体は原子爆弾でも(破壊)されない永遠に存在する霊的なものでできているといわれている。考えてみればわかるように、心というものが主体です。あの人はいい人だ、冷たい人だ、暖かい人だというのは体ではなく心の状態をいっている。目には見えないが確実に存在しているもの、しかも、人間の人間たるゆえんです霊人体と呼ばれる部分です。肉体が死んだ時、霊人体はどうなっていくか。
 これがいわゆるオギャーと生まれ変わる第三の人生、すなわち、霊界生活という。霊界は永遠に続く。

乙ハ第一六五号証 原告S 「ゲストカード」 二月一八日
「人生の目的からみた永遠の世界」所感
人生の三大疑問から、胎中、地上、永遠の世界について話す。頭では永遠の世界、神様はいると思うが信じきれない。見えないものの中に、より重要なものあると二性性相を話していく。神はあると思うが自分の心の中にあるものだと思っている。

乙ハ第一六五号証 原告S 「ゲストカード」 三月七日
「B五」所感
 二月一四日以上子供、夜泣きが毎日続き、寝不足もあってボーッとしている。子供を通して悟らなければならないことを話す。頭で霊界、神は実在すると思いながら確信できないせいかもしれないといっている。

乙ハ第一六五号証 原告S 「ゲストカード」 三月八日
「B六」所感
 昨夜も寝付いて何十分かたってからひどい夜泣きになり、怯えたように泣いていたとのこと。真心込めて「神様」というと子供がピタリと泣きやみにこっと笑って寝入ったとのこと。情で確信できなかった自分を試されたと感じている。長男守っていくことの使命の大きさを知ったよう。情より知が先行するタイプだが少しずつ神様を実感できるようになってきている。

乙ハ第一六六号証 原告S 管理カード 三月九日
カウンセリング内容:使命感、神観、罪観、メシヤ観と、上部だけでとらえているところあったが、信じ切っていこうとという姿勢に変わってきた。家系図で、父方祖父母の名前わからなかったが調べてもらう。祖父たけおという名前が分かった時、何故か涙が出てしようがなかった。そして長男が二一日間熱、そして夜泣きだったがその時よりおだやかな顔に戻ったのを見て、私が問題、もっと信じ切ってと転換された。

(四) 霊の存在をリアルに感ずる


甲第一二九号証 動機の成長と教育 三枚目〜
五  肉身生活のみならず、永遠の生命、霊界があり、肉身生活はその為の準備です。霊界の存在を実感しているか。肉身生活の意義と重要性を実感しているか。霊界までも意識した人生観を持っているか。

 右のとおり、霊界の存在を「実感」しているかどうかが問われるのである。

平成一〇年九月一一日 被告証人C証人調書 九九頁
あなたは統一協会員として、霊界の存在を認めますか。
はい、認めます。
あなたが氏族のメシアとして、あなたにつながる霊界にいる様々な祖先の人たちを救う責任がある責任者だということを認めますか。
はい、認めます。
そういった自覚で頑張っておられるわけですね。
はい。
今、私の質問に答えてるとき、あなたにはだれか助けてくれる人がいませんか。よい霊、善霊があなたのために協助してくれているんじゃないですか。
はい。
そういった認識をあなたはお持ちですね。
はい。
・・・・・・・
救いのためにやっている○○さんも、もちろんあなたと同じ認識ですね。
はい。
そうすると原告Cさんを見たときに、原告Cさんの後ろに霊が付いていて、その霊が今このチャンスを逃さないで私たちを救ってほしいと、そういうふうに必死の思いで働きかけをしょうとしてる姿が見えるんじゃないですか。
実際には見えませんけれども。
でも、それはそう感ずるんでしょう。
はい。

(五) 霊界の天法
 リアルに感ずるその霊界には天法がある。「地」の法に反することは平気なのである。善悪の判断基準が変えられているから。統一協会のためのことは善、統一協会の利益に反することは悪である。善悪の判断のために「地」の法は関係がないのである。しかし、天の法はそうはいかない。なにせ、肉身を脱いだ後、霊界で永生するのである。その世界で幸せに生きるために、今は自己犠牲の道を歩んでいるのである。その世界の法に反することは、肉身生活の時でもできないのである。

甲第一一六号証 ○○○○○○受講ノート二 二〇頁
霊界における天法
・不信罪→神を不信 ・淫乱 ・殺人罪→愛せない、憎しみ ・強盗罪→自己中心に貪る

被告証人O 証人調書 九七頁
イエス路程の教訓というのは、人間が、イエスがメシヤであることを信じなかった、不信したということですね。
はい。
それは、不信してはいけないというのが、人間に課せられたというか、人間に与えられた歴史の教訓ということになりますね。
はい、そういう部分が強かったです。

(六) み言葉を聞く前と聞いた後では違う

甲第二二九号証 ○○○○○○受講ノート四 二一頁
罪(堕落した時)の恐ろしさを知る。
@ み言を聞く前と聞いた後では違う。

 これもよく言われることであり、統一協会員の行動を緊縛する言葉となっている。

平成八年一〇月一一日付 原告A証人調書 九九頁
統一原理を知った後で統一協会をやめるとどうなるというふうに思ってましたか。
やめれば裏切り者として扱われるわけだし、死んでも天国には行けない、地獄に落ちるというふうに思ってました。
そういうふうに教えられるんですか。
はい。

(七) 第三次世界大戦

乙ハ第四〇号証の五 原告証人a ノストラダムスの大予言についての感想文
 しかし、今、こうしてみると、何となく恐ろしいような気がした。特に第三次世界大戦などは、恐ろしい。

(八) 地獄・壮婦のビデオ

乙ハ第一七八号証 ビデオ人生の目的から見た永遠の世界 四頁
 子供としての愛、夫婦としての愛、父母としての愛、この三つの愛を完成した人が天国です。それに対して自分さえよければ世界で、隣で何が起きようと関係ない。家庭の中で夫が苦しもうと。子供が悲しもうと何が起きようと自分が良ければ他は関係ないと、段々、段々、自分へ、自分へとむく心が結局、真っ黒な霊人体であり、そういう光の具合の人があつまる地獄をつくる。地獄は自分へ自分へという世界です。人間同志の関係がまるでない。だから、はりの山というのは、はりの山にいるようにチクチク心が痛むことをいい、血の池とは、体から知が吹き出て死にそうなくらいの思いで永遠に生きることなのではないだろうか。

被告証人Q 証人調書 五〇頁
乙ハ第一七八号証を示す
四ページの下に地獄についての説明がありますね。地獄は自分へ自分へという世界です。人間同士の関係がまるでない。だから、はりの山というのは、はりの山にいるようにチクチク心が痛むことをいい、血の池とは、体から血が吹き出て、死にそうなくらいの思いで永遠に生きることなのではないだろうか。」こういつたビデオだったわけですね。
はい。
これは僕なんかが聞きますと、この地獄も結構怖いと思いますがどうですか。
・・・・・・・。
体から血が吹き出て死にそうなくらいの思い、そんなつらい思いをして永遠に生きるなんてのはつらくないですかね。
・・・本当にそうだったらつらいと思います。
そういったのが地獄なんだと説明するわけでしょう。
・・・・・・・・。

被告証人Q 証人調書 五四頁
甲第三八七号証を示す
これは原告Tさんという方のビデオ受講ノートなんですが、一二ページを見てください。「霊会と因縁」ビデオの内容としては人間の成長の三段階が教えられて、そして一三ページには霊界の三段階があって、天国と中間霊界と地獄界、地獄界は「自己中心で生きた人、殺人、ぬすみ、自殺、色情をおかした人は特に低い地獄に行く=悪霊」と、こういった内容をビデオで説明しますね。
・・・・・覚えてないです。
一四ページ、色情因縁、後祖にどう出るか、行動としては放浪、酒乱、離再婚、自殺、体に出たときには事故、病気、肺気管支、結核、がん、脳溢血、こういつたことも教えられますね。

(九) 因縁・家系図
 壮婦の講義は荒唐無稽であるが、統一協会の意図は鮮明である。一人に三〇万人の霊がつき、その八割から九割の霊が色情か殺傷というのであるから、いい因縁などあるわけないことになる。

甲第三六三号証 原告M受講ノート 五頁
人間の成長:胎中生活−地上生活−霊界生活
霊人体の完成→愛の人格完成。霊界:天国、中間霊界、地獄(自己中心、ぬすみ、殺人、色情、自殺、水子)悪霊がいる。試練に耐えることで霊界解放し、善霊となる。

甲第三六三号証 原告M受講ノート 六頁
霊界解放−魔に勝利された方の徳の相続。イエス、釈尊、仏像、念珠、十字架
因縁果報−因:女好き、女性を泣かす、縁:美しい女性、果:浮気、報:離婚
武家、町人に子供作って妻が苦労する。その町人の子供がその下の子供達にたたって苦労する。
色情因縁は行動にでると、放浪、酒乱、離再婚、流産、体にでると、事故、病気(胸の病気、血、ガン)

甲第三六三号証 原告M受講ノート 二〇頁
あなたをとりまく因縁について
一人に三〇万人の霊がつき、その八割から九割の霊が色情か殺傷
藤原、藤田、加藤、佐藤など藤の字のつく名字は藤原の血を引いている色情の血統。

甲第三六三号証 原告M受講ノート 二五頁
霊界解放と私達
霊界解放:地獄にいる先祖霊→天国に引き上げ善霊。供養の三段階 @慰霊、A除霊
解放された霊の働き−守護霊となってつく。
方法:因縁に感謝し徳を相続していく。→喜び、感謝。よって先祖霊が善霊になっていく。

甲第三七三号証 原告Q受講ノート一 三頁
第三章 霊界と因縁
地上生活の目的=人生の目的=愛の人格形成
霊界三層 天国(為に生きる、愛の人格者)←善霊、中間霊界(良心家)、地獄界(自己中心:殺人・色情・自殺・盗み)←悪霊
解放=先祖の霊界を高めて行くこと。供養=先祖の慰め、慰霊。供養と解放は全く違う。
地上人が試練を感謝して乗り越えたら先祖の霊は解放される。。
色情因縁→愛の恨み、日本人に多い
行動に出ると放浪、酒乱、離・再婚、流産、自殺。体に出ると事故、病気(胸、脳溢血、ガン)

乙ハ第一六八の二 原告S 家系図
どんな家系でも三代さかのぼれば、色々なことがあり得る。時代が時代であるから苦労した人も沢山いるであろう。それを使って、因縁への恐怖を生まれさせるのである。

乙ハ第一七一号証 原告T 家系図
二代続いた女性問題が、利用されている。
子供に影響する色情因縁の恐怖を訴えるには、最適な材料となってしまった。

(一〇) 神とサタン・敵

(1) 神を意識した生活の開始

甲第一一六号証 ○○○○○○受講ノート二 一五頁
神を中心とした生活 神を意識した生活

甲第一一六号証 ○○○○○○受講ノート二 一三頁
(ライフトレーニング)
神について
霊人体の完成のためには神の愛が必要。生素、神の感じられる自分、生力要素、善行(真理を学ぶ、神のみ旨に生きる)神の願いのごとき生き方

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 五月三一日
・生活の感想
 今日も食事前の三〇分間UNOをして遊んだ。三回やって二回も勝ってしまった。だがまだ神というものを実感できなかった。山下班長にいわれて初めてそうなのかなと思った程度だった。これからは、いろいろな面で神を求めていきたいと思う。求める心が少ないから感じれなかったと思う。

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月八日
・生活の感想
 今日は実にグットタイミングでJRの電車がきて、予想以上に早くここにつけた。このことはやはり神のはたらきだと思い感謝しました。こんなふうにより多く神を感じていきたいと思います。

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月一二日
・生活の感想
 今日、数学のテストがあった。神様に祈った効果もあってすごく簡単で全部できた。今日、帰ったらこのことを感謝しなければならないと思った。また、今日、付き合ってきた彼女とも話して別れた。これからは、悩むことなく神の愛を感じていきたいと思う。

乙ハ第五五号証 原告証人a 新生トレーニング 新生日記 一〇月一三日
・イベントの感想
 台風という予定で今日のイベントはとても心配だったが、本当に導かれて特に雨も降らず、紅葉や自然に接して神様の創造のみ業、愛を感じた。本当にこの全ての万物は神様が人間のために創造して下さったことを実感することができた。

平成九年一一月二八日付 原告証人a証人調書 五九頁〜六〇頁
五月三一日の「生活の感想」のところですが、ウノというゲームをやったんですね。
はい。
「神というものを実感できなかった。」と。「これからは、いろいろな面で神を求めていきたいと思う。」と。こういった認識だったわけですね、神についてこの段階では。
はい。
六月八日の「生活の感想」を見てください。「今日は実にグットタイミングでJRの電車が来て、予想以上に早くここにつけた。このことはやはり、神のはたらきだと思い感謝しました。」と。このように変わっていってますね。
はい。
どうしてこんなふうに変わるんだろうか。
講義を通してあるいはスタッフを通して、やはりいつも神様と出会えるように。私は今日はこういう神様と出会ったとかそういう話が多く出てきたので、自分もそうしようと毎日意識してしていました。
物事を神様の働きかそうでないかというふうに考えるようになってるわけですね。
そうですね。

平成八年七月五日付 原告A証人調書 四六頁〜五〇頁
例えば神様ついては、どんな働きかけがされてましたか。
食事のときだとかに、今日神様と出会った人というふうに質問されるようになるんですけれども、自分自身がその質問をされたときに、何も考えずに生活しているとその質問に対して答えることができないんです。それで班長の質問にきちんと答えられるように、日常的に神を意識して生活するようになります。
後出の甲第一一六号証を示す
○○○○○○の講義イートですが、一三ページを見てください。「三/一三 ○○主任」というところで、「神について」とありますね。
はい。
これはライフトレーニングで神についての講義が行われたということでいいんでしょうか。
はい。
一五ページを見てください。一番上に「神を中心とした生活」「神を意識した生活」というふうに書いてありますね。
はい。
これは、そういった生活をするようにというふうに講義を受けるのですね。
はい、そうです。
その何段か下に「祈り」「み旨を学ぶ」「神の為に生きる」と。神のために生きなきゃいけませんよということも講義で教えられるわけですね。
はい、そうです。
そのような講義があったことを前提にして、夕食等で班長さんから、今日神様を感じた人はというふうに問われるわけですか。
はい。
神様を感じたこととして、例えばどんなことが話されましたか。
とてもたわいのないことといえばたわいのないことなんですけど、例えば寝坊して遅刻しそうになってしまった、で、走っていって地下鉄がちょうどそのタイミングでやってきて学校に間に合うことができた。そういうことさえも、それは神様の導きなんだというふうに感謝する思いだったりとか。普通で考えればただの偶然なんですけれども、神を意識するということによって、そのことも神様によって自分は愛されて守られているというふうに思うようになります。
班長さんもそういうふうに思うようにしむけてくる。今日地下鉄に乗れたのというような話をすると、それは神が働いたんだよという形になる。
そうですね。
たわいのないような話ですけれども、神様を意識しなければいけないという生活がこれからずっと続いていくわけでしょう。
はい。
統一協会員になった後、例えば物売りなんかしますね。
はい。
あなたもしましたでしょう。
ええ、やりました。
そのときはどんなふうなことを考えるようになりますか。
すべて物事の結果をいいことと悪いこと、いいことが起こればそれは神が導いてくれたこと、神様が守ってくださったこと。悪いことが起これば、それはサタンの仕業というふうに、分けて物事を考えるようになる。
中間はないんですね。
ないです。
世界についてですけれども、統一協会以外の全世界については、どういうふうに分けますか。
サタン世界と神の世界というふうに。
中間はないんですね。
ないです。
そういうふうに認識するようになるその最初のステップだというふうに言えますか。
はい。

平成八年一〇月一一日付 原告A証人調書 二六頁〜二七頁
その統一協会の持っている建物については、どういうふうにイメージするんでしょうか。
神様に守られているとりでのような感じなんですけれども。
そこから外の世界はどんな世界に見えるんですか。
救われてない堕落世界というふうに考えます
神の館を出ていくとき、どんな手続をしますか。
まず祈祷室でお祈りをすることと、あとスタッフに報告することをします。
戻ってきたらどんなことをしますか。
聖塩というお塩があるんですけれども、それで聖別して、それから帰りましたという報告をして祈祷します。
自分に振りかけるんですか。聖別とはどんな意味ですか。
これは外、サタン世界から入ってくるに当たって自分を清める、清めて神の館に入るんだという感じですね。
そういった形で神様を感じる生活をしているわけですか。
はい。

(2) サタンも意識することになる。

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月九日
・今日は風も強く、下宿を出るときには雨も降ってきたので、サタンがライフトレに行くのを邪魔してるのかなと思った。

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月二二日
 そしてフォーデイズセミナーに出ることにより、メシヤを知った立場から、もう一歩進んだ立場になるということも知ることができ、フォーデイズセミナーに参加することには、やはりサタンも今まで以上の攻撃をしてくるがゆえに、いろいろな悩み葛藤がでてくるということも知った。自分で考えるのではなく、神様に話す、祈ることにより解決の道が開かれることも知った。

乙ハ第五五号証 原告証人a 新生トレーニング 新生日記 一〇月二〇日
・生活の感想
 また、今日は呉服展の動員ということで、午後から出発した・・・。
 しかし、ゲストの髪に触れなければならない状況になってしまい、触れてしまったわけだがその事が割り切ろうと思っても割り切ることができず、結局、負債となってしまい神が働く基台をつくることができなかった。これを割り切って救いの心情に徹することができればよかったのですが、サタンの手にまんまとひっかかってしまったという状況だった。

(3) 敵・共産主義、反対派

乙ハ第四九号証 原告証人a フォーデイズの新生日記 六月三〇日
・同時性、近世四〇〇年、世界大戦の感想
 第三次世界大戦は理念闘争のときであり、共産圏もかなり崩壊してきている。責任分担を十分に果たし、第三次世界大戦は避けたいと思う。

乙ハ第五五号証 原告証人a 新生トレーニング 新生日記 一〇月二二日
・宗教迫害
 自分みたいなごうまんな者が、きっと監禁などをされたらひっくり返ってしまうんだろうなと悔い改めさせられた。

甲第一一六号証 ○○○○○○受講ノート二 三九頁
聖書論(宗教迫害問題)
新しい真理・・・理解できない(既成概念、旧い価値観)→批判、迫害

平成八年一〇月一一日付 原告A証人調書 一八頁〜二二頁
後出の甲第一四三号証を示す
八ページの八月二四日と九月八日に宗教迫害問題TとUという講義がありますね。
はい。
これは何についての講義ですか。
統一協会に対する迫害、反対派についての講義をします。
反対派に対する講義というのは、ライフトレーニングでも聞かされませんでしたか。
そういう講義はありました。
何という名前で講義されましたか。
聖書論という講義でした。
後出の甲第一一六号証を示す
三九ページ目、「聖書論(宗教迫害問題)」の講義がされているわけですね。
はい。
新生トレーニングでの講義を思い浮かべながらお話をしてほしいんですが、具体的にはどんな内容の講義でしたか。
統一協会はいろんな団体に迫害されているという問題があるということで、反対派の組織について、どういうふうに信仰を剥奪しようとするだとか、そういうことについて詳しく説明をされる。
反対派の勢力というのはどんな人たちだというふうに説明されますか。
クリスチャンですとか、牧師ですとか、あとは共産党員ですとか、そういうふうに言われます。
やり方として、直接反対派が行動をするというふうに教えられるんですか。
いえ、親を使って迫害してくるんだというふうに教えます。
そうすると講義を受けたあなた方としては、親がどのような行動をとるかということに気を遣うようになるんじゃありませんか。
はい。
その教えというのは、反対派というのはサタンだということですよね。
そうです。
親がサタンと一緒になる、あるいは親がサタンの手先になるというんですか。
そうですね。
今までに、親が敵の手先になるというようなことを考えたことはありますか。
いえ、ありません。
そのような認識を持った上で、親があなたのことを心配していろいろ調査をしたり、あるいは話しかけをしてきた場合には、どんなふうに受け止めることになるんでしょうか。
普通であれば心配してくれてるんだというふうに受け止めれるんですけれども、こういう講義を聞いてしまうことによって、後ろで反対派が、お金目当てで親を利用して信仰を剥奪しようとしているんだというふうに考えます。

(二) サタンのざん訴権

甲第一四二号証 ○○○○○○受講ノート三 二頁
サタンがざんそ権がある限り神にいけない。ざん訴、なんだあの人は。

天国に行くためには、サタンすら屈服するような活動と生活が要求されるのである。


【ページの一番上に戻る】  【総目次に戻る】 【次へ】

札幌青春を返せ訴訟・最終準備書面
 弁護士 郷路征記