5 絶対に悪く思えない人たち
 統一協会の勧誘活動を考える場合、それを担当する人の要素が大きいと考えられる。まず、きわめて親切で、何でも受け止めてくれ、明るくて、元気で、自信に満ちて見える。統一協会員たちは、カインに尽くし抜く、これが愛の人格者となるための訓練、この人の永遠の命を救うための行為と信じているのであるから、怪しげな様子など毛ほどもないのである。組織全体からみれば、人の財産権を侵害したり、その人生を奪う意図が明確なのだが、目の前にいる担当者にはその様子が微塵も感じられない。その理由は、その担当者自体が前記のように信じさせられている「被害者」だからである。天才的詐欺師は、自分の描いている詐欺の構図が真実であると信じ込める才能を持っていると言う。だから、人は騙されるのだという。統一協会はその意味では、末端の信者を「天才的詐欺師」と同様な位置につけることに成功しているのである。
 スタッフの役割についても時間の推移によって変化が生まれる。統一協会は父性的機能と母性的機能の差異を承知していてその機能をスタッフのそれぞれに分属させる。
 ビデオ・センターでは母性的機能の担い手である「主任」=「班長」はライフトレーニング以降単に母性的機能のみの担い手ではなくなる。四デイズ修練会で献身をせまりその決断をさせるのが「班長」の重要な任務だが、そのためには「包み込み、愛する」ことだけでは不可能だからである。「詰めて、決断させる」役割を持たされるのである。
 「班長」が母性的機能を担わなくなった時点からその機能を代替する「修母」が配置される。伝道機動隊以降は父性的機能が全面にでてくる。母性的機能は「マザー」の「牧会」によって一部果たされるにすぎない。
 人間の成長のためには母性的機能と父性的機能が必要である。「厳父、慈母」という言葉がよくそのことを示している。統一協会は当初母性的側面を全面に出して「愛」を求める若者を誘い、統一原理がその人の頭に宿るに従って父性的側面を押し出してきびしく詰めるという方法を取っている。

(一) スタッフに惹かれる

甲第二四〇号証 原告証人a陳述書 一〇頁
 私自身の体験ではビデオセンターに通い始めて、いつも明るい笑顔で接してくれて会うたびに私を賛美してくれる主任の、今まで会ったこともない態度や人柄にとても惹かれました。

甲第二四〇号証 原告証人a陳述書 二一頁
(統一協会であることをしらされても)
 ライフトレーニングまでに実際に教えられたことは、為に生きるということであったり、神様を理解するということであったりで間違っていると思えないのであろうこと、スタッフが本当にいい人達ばかりで、丁寧に親切に接してくれるので、この人たちが悪いことをしているとは信じられなくて、そのような人達もそのまま勉強を続けるのだろうと思います。

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月七日
・講義の感想(緒論)
 また、○○部長さんたちは、メシヤと共に更に成長している過程だと聞いて本当に驚いた。このような人達がいるとは思っていなかったからでおあるが、本当にすごいと思う。早く自分もそこまで行けるようになりたいと思った。

乙ハ第一四四号証 被告証人J 陳述書 二頁
原告証人bさんを見て、若い人がこんな大雪の時にどうしてと思いました。

乙ハ第一四四号証 被告証人J 陳述書 一二頁
 原告証人bさんの時にはドアを開けて逢った時、何かこの人は信用できるという感じがありました。誠心誠意、真心を込めて私や私の家族を心配しながら、いろいろ話を聞き、私も原告証人bさんだったらなんでも話せると思い夫のことなんでも心配ごとを話ました。人には雰囲気というのがります。なにか人を騙してやろうとか、心によくない思いをもっていると相手が直感的にわかり話が出来なくなるのです。しかしこの時の原告証人bさんからそのような感じはちっとも受けず、それよりも熱心に話し、心配する原告証人bさんの顔は輝いて見えました。

甲第一四三号証 新生トレマニュアル 七頁
班長  信仰の見本。トレーニング生の心情をよくつかみ、心情主管し、良き相談相手、希望の実体となる。中心とトレーニング生との連絡役。

平成七年五月一九日付 原告A証人調書 八九頁
二枚目の右側、内的チェックポイントの上のほうに「スタッフ自己紹介」ということで、班長について「年令を言わないこと」「ベテランという顔をすること」「班長は初めてですが、とか、まだ幼くて何も分かりませんがとは絶対言わない」「元気ハツラツとした顔で臨み元気よく歌い激しく動け!」と、こうマニュアルに書いてある。何のためにこういったことをマニュアルで指示しているんですか。
要するに、受講生の上の立場に立つ人で、より管理できるようにというか、受講生からしてみれば、年下の人にあれこれ言われるよりも、年上の人に一言われるほうが説得力があると思うんですね。それで、おどおどした態度をとってはいけないし、自信満々に堂々と行動するということで、態度で示すという感じで、それでこういうふうに書かれていると思います。

平成一一年五月一四日 被告証人G 証人調書 四二頁
あなたがセミナーのスタッフをしていたときに、一番心掛けたことは何ですか。
受講生が眠くならないように気を配ったり、講師とか、私たち班長とか、班員とか、本当に心を開いて接することができるように心掛けたり、精神を込めて全身全霊を込めて投入していました。

乙ハ第九五号証 被告証人F 陳述書 五頁
 人が信仰をもつのが対象者ひとりひとりに注ぐ自分の心情であり、尽くし、尽くしていく心の姿勢なのだということを本当に実感させられました。システムやテクニックなどでは決して出来ることではありません。

乙ハ第九三号証 被告証人E 陳述書 二八頁
 セミナーで講師役、班長がスタッフに声をかけたのは、一生懸命さ、真剣さ、真心でした。それ以外の作為的なことは一切ありませんでした。あくまで信仰心をもって宗教的自己犠牲の他者の為に生きることが実践であることを自覚して真心から真剣に一生懸命に活動していたのではないでしょうか?
 統一原理に感化力があるならば、統一原理の内容そのものとセミナーのスタッフや信者の一人一人の真剣さと真心が人々の心をとらえるのにほかありません。

(二) 情的にがんじがらめに

乙ハ第一七号証の二 平成五年一〇月四日 ○○○○ 証人調書 六頁
その修練生が愛されているのだという実感ができやすくすると同時に、親とかスタッフにとっては、そのように尽くして尽くして尽くしきっているんだよとという姿勢を見せることによって情的にがんじがらめにする事です、と述べているところがあるんですが、これはどうなんですか。
修練生に対して愛されているという実感をもってもらうということは事実です。しかし後半の、情的にがんじがらめにするというのは明らかに事実に対する歪曲あるいは故意的な表現ですというふうに考えます。といいますのは私たちが通常勧誘活動とか伝道活動をする際に、そういう不誠実な動機で勧誘活動はできません。やはり、もっと純粋でもっと宗教的な、本当にその人の永遠の命を思って真理を伝えたいという気持ちでなければ誠意は通じませんし、そういう誠意が通じない限り伝道というものは絶対うまくいきません。

 受講生の状態を組織の意図に照らして客観的に表現すれば「情によってがんじからめ」という状態なのである。担当者の「純粋な動機」と受講生の客観的な状態とはわけて考えなければならない。

(三) 引き締める
 必要なときに必要な引き締めをすることは、その人や集団が真面目であることや、、受講生本人のことを本当に考えてくれているんだという思いを受講生にもたらすことがある。受け止めて貰うことによって感ずる「母」の愛と、批判され、指摘を受けることによって感ずる「父」の愛である。どちらが有効かは人によって異なるのであろうが、両方やってみることが大切である。

甲第二四〇号証 原告証人a陳述書 一四頁
(四 進行の役割)
 進行は二デイズの責任者です。受講生に講師を証すことや、受講生の姿勢を糾すことです。班長から受講生一人一人の状況を報告させて指示を出し、食後の和動の内容などについて指示を出します。

平成七年五月一九日付 原告A証人調書 八九頁〜九〇頁
オリエンテーションのときに、進行係が言ったことで特に印象に残ることは何かありましたか。
受講生の受講する姿勢を正すために、やる気のない人は帰ってくださいと。そのスタッフにしては初めてきつい言い方をするなというのは印象に残っています。
それまでは優しく優しくしゃべっていたけれども、初めてきつい言い方が出てくると。
そうですね。
これはどんな効果があるか。
やっぱり気持ちが引き締まるというか、周りにいる人も真理を求めるなり、真剣な態度で臨んでいるのに、例えば、自分が何となく出ている立場だとしたら、そこでぐっと引き締められて、私もちゃんと真剣に前向きに受講しなくちゃいけないというふうに正されると思います。

甲第二四〇号証 原告証人a陳述書 三二頁
六 厳しさを求める。
四デイズの進行として、私は二日目か三日目に厳しさを求めます。

平成九年三月一四日付 原告証人a証人調書 五三頁〜五四頁
あなたは進行として、受講生に対して、あなた方は一二使徒と同じように、あるいは一二使徒を越えて、信じ続けることができますか、信じ続けなけれはいけないのですよというような話をするのでしょうか。
はい、そのような話は一度はします。
一度は必ずするんですね。
はい。
これからは厳しい道なんだ、大変なことなんだといったことを伝えるわけですね。
はい、そうです。
で、引き締めていくと。
そうです。

甲第一四三号証 新生トレマニュアル 六頁
スタッフの姿勢
進行  父の立場で厳格にトレーニング生接する。悪、正されていない者に対しては、それを但し厳格に注意し、トレーニング自体を引き締める。
講師  愛と権威をもって語る。

平成九年三月一四日付 原告証人a証人調書 六三頁〜六五頁
心情開放展の前と後では、班長の班員に対する対し方が変わりますね。
はい、変わります。
意図的に変えるわけですね。
はい、そうです。
どんなふうに変えるんですか。
心情開放展を通して、一人一人がこれから頑張っていこうと、蕩減条件もそのとき立ててますし、頑張っていこうという姿勢ができますので、スタッフとしても、これからが本番だということで、今までと比べるとかなり厳しい態度で接していくようになります。
具体的にはどんなところが変わりますか。
例えば、新生トレーニングでは反省会というのを各班長を中心に毎晩行うんですが、そういう反省会の中などでも、例えば、班員が、今日は何となく流されてしまって一日過ごしてしまいましたということを言ったとすると、心情開放展以前でしたら、そういうこともあるよねとか、これからもっと神様を意識していかないといけないですねという、優しい口調でアドバイスをしていたんですが、心情開放展が終わると、心情開放展であなたも決意して新しく生まれ変わろうとしているんでしょう、だからもっと蕩減条件を立てなければならないとか、口調自体もかなり厳しく接するようになってきます。
心情開放展を経過すると、受講生の感じ、雰囲気というのは変わりますか。
はい、変わります。
どんなふうに変わりますか。
全体的にはやはりこれから頑張るぞと。罪も告白したし、頑張るぞという雰囲気になってきます。

6 使命感・責任感を与える。

(一) 復活論・氏族のメシア

平成七年五月一九日付 原告A証人調書 七九頁〜八一頁
後出の甲第八三号証を示す
「堕落論」のあとで「家系図をとる」とありますね。家系図はとられましたか。
とられました。
家系図をとられて、どんなことを言われ、どんなことを考えましたか。
まず、いろいろ因縁の話とか、私がすごく使命を持っている立場だということを、図を説きながら説明されました。
使命というのは、責任がある人だと。
はい。
先祖の因縁を晴らす使命があるということですか。
そうですね。
○○家(原告A)にはどんな悪い因縁があるという話は出ましたか。
その前にも姓名判断もしているので、武士の因縁とかあるんですよ。おじいちゃんの病気のことだとか、母親の病気のことについて、その因縁があるから、病気になったり、悪いことが起こったりするというふうに言われたりするんで。
武士の因縁というのは、普通は人を殺した殺傷因縁。
はい。
その殺した人の恨みがたたって、例えば、お母さんがなった病気はそのせいだよと。
はい。
その恨み、因縁を晴らす責任が、あなたにあるんだよと。
そうですね。
そういうことを家系図を書いた上で説明してくれると。
はい。

平成七年五月一九日付 原告A証人調書 一〇三頁〜一〇四頁
三時半から創造原理、復活論の講義があるわけですが、「霊人体の再臨協助」というふうに普通の人には全く意味の分からないことが書いてますけれども、この講義の内容を簡単に説明してください。
・・・簡単に説明するのは非常に難しいんですけれども・・・。
肉親を持っている人は、一生懸命肉親の間に善の行動をして救われていくわけですね。
はい。
既に肉親を亡くして霊界に行っている人、この人たちは救われないことになると。
肉体を持っている者に協助をすることによって、その霊人体も浄化されていくというか、そういうような講義ですよね。
死んでしまった人についても、今生きている人が頑張れば、そしてそこへ死んだ人の霊人体が手助けをすれば、その霊人体も救われる道があるという講義なんですね。
そうですね。
あなたにも○○家(原告A)の先祖がたくさんいますでしょう。その人たちは救われていないわけですね。
そうですね。
その人たちの救われる道を指し示しているわけですね。
そうですね。
そうすると、この講義を聞くとどんなことになるんですか。
後々になってくると、その講義の内容が生きてくると思うんですけれども、要は、自分がこの道を進むことが○○家(原告A)の先祖の救いですということを認識するための知識となると思います。

平成八年七月五日付 原告A証人調書 三三頁〜三五頁
後出の甲第一〇五号証を示す
五枚目を見てください。右側半分の内的チェックポイントの「面接」のところですが、「○○さんは本当に大きな使命があるんですね。」とこのとおりの言葉は、あなたも言われた記憶はありますか。
あります。
あなたはそのときまでに、自分の使命についてはどのように思うようになっていましたか。あなたには使命があるというふうに思うようになっていましたか。
自分自身がこの内容を、真理を勉強してきたことは、先祖も願っていることだし、すごく重要なことですと。そしてメシアがいるこの時代に自分が聞いてるということは、私にも何か大きな使命があるように感じました。

甲第二四〇号証 原告証人a陳述書 二五頁
 復活論の中では、先祖の人達の願い、功績によることなのだと話します。先祖全体を救う使命とか責任の自覚を求めるのです。

乙ハ第四〇号証の三 原告証人a 先祖と我々の人生についての感想文
今まで、あまり考えなかった先祖についてわかったような気がする。

乙ハ第四〇号証の八 原告証人a たぶん復活論についての感想文
復活とは、どういう意味をさしていますか?
 死んだ人が生き返るというわけではなく、サタン主管圏から神の主管圏になることで、復活により天国へ行くことができること。
先祖を救う使命があるとしたら、どうしますか。
 救ってあげたいと思う。その使命を果たしたいと思う。

乙ハ第五〇号証 原告証人a 新生トレ アンケート
4 何故この道を行こうと決意したのですか?
 自分だけの幸福のためだけではなく、先祖のため、また、神の子として神の前に帰りたいと思ったから。ここまで、こうして導いてくれた神、また愛してくれた神様、感謝を形で表したいから。

被告証人O 証人調書 一〇二頁
講義をしているとき、あなたは霊界が聞きたがって、この講義室に来ていると、この部屋全体では何十万人もお見えになっていますよっていうふうに、これはまた冗談でしょうけれども、言うことがありましたね。
ちょっと定かな記憶ではありませんけれども、言ったかもしれません。

乙ハ第一六五号証 原告S 「ゲストカード」 三月四日
「復活論」所感
 再臨協助のところで霊界の先祖の協助のことを話し、肉身生活で精算していかなければならない。今の自分の位置がいかに重要であるか納得。今x何度か何で私がしなければならないか思ったことがある。それをいかに感謝して乗り越えていくかによって霊界が変わることを話すと納得する。

(二) 因縁清算・壮婦の場合

甲第三七三号証 原告Q受講ノート一 九頁
真の家庭のあり方の講義の中で
・ 先祖は自分たちの失敗を後孫を通してはらしたいと思っている。
・ 選ぶ後孫は→この人なら大丈夫というそういう妻えらび、夫えらびをしている。
・ 先祖は後そんを不幸にするためでなくて幸せにするためにそういう。
  どんな苦労でものりこえられる試練である。乗り越えると自分は苦労のしっぱなしかと思うが、子、まごの代からはんえいする。

乙ハ第一六五号証 原告S 「ゲストカード」 二月二三日
「因縁精算の道」所感
 おじいちゃん、おばあちゃんが本当に望むならやっていかなければと思っている。祖母がビデオの内容のような生き方をしていた。

(三) 世界大戦を防ぐのは我ら

甲第一一六号証 ○○○○○○受講ノート二 二八頁
世界大戦 蕩減復帰原理から見た世界大戦の原因
神の摂理 主権を奪われまいとするサタンの最後の発悪、どうせ返すのならぐちゃぐちゃにして返す。七三大祝福復帰の世界的蕩減条件。イエスの三大試練を世界的に越える。主権復帰の為の世界的蕩減条件。

甲第一一六号証 ○○○○○○受講ノート二 三〇頁
第三次大戦 理念闘争として一九八五〜一九九二まで その後武力闘争へ

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月一五日
・講義の感想(世界大戦)
 実際、講義をきいてみての感想は、思っていた以上に日本は重要な位置にいる国で、大きな使命があるんだなと思った。一九八五年から一九九二年の七年間は理念闘争が行われている期間であり、この期間中の日本の責任分担により、武力闘争が起こるかも知れないということを知って、はっきりいって驚いている。エバの位置にいる日本が、これからの運命を握っているのではないかとも思えた。

乙ハ第四九号証 原告証人a フォーデイズの新生日記 六月三〇日
・同時性、近世四〇〇年、世界大戦の感想
 第三次世界大戦は理念闘争のときであり、共産圏もかなり崩壊してきている。責任分担を十分に果たし、第三次世界大戦は避けたいと思う。

(四) 色々な使命感

甲第一二九号証 動機の成長と教育 三枚目〜
一〇 使命感を持つ。
 過去・現在・未来にわたる歴史的使命感を持っているか。家族・氏族・知人・友人の救いを使命を感じているか。先祖の代表・世界人類の代表として立っていることを感じているか。神の願いと期待を感じているか。日本エバ国家の使命を感じているか。

甲第二二八号証 ○○○○闘病心情日誌 八五年一一月二一日
 長い歴史において、メシヤの生きる時は限られています。何千年、何百年の歴史のうち、イエス様の生きておられた三〇余年という月日は本当に短く、ほんの光の様なものかもしれません。そしてメシヤ(キリスト)の死後・・・長い年月が過ぎ去り、そのイエス様なる存在のあらわれるまで、どれ程歴史は・・・時は・・・流れていったでしょう。その中にあってメシヤを、キリストを、第二のイエス様を求めて霊界にいってしまった人たちがいかに多くいたことでしょう!そのほんの一瞬の光の時に生まれ合わせて、なお、神の、先祖の、霊界の導きにより、尊きメシヤを知るに至り、その時代に共に生きている自分を思うときに、あまりの期待と責任を背負っている事を心から感ずるわけなのです。自分の時代に少しでも・・・例えワンステップでも、そのランクを神に近づけることが出来るならば・・それは霊界において先祖や、あるいは自分に長い間、期待をかけ導いて下さっていた霊人達に対し、どれ程多くのこうろうとなるか知れません。例えば家族に反対され、その家庭にとどまったとしても家族の霊界をあげることは出来ません。反対されても、神と共に歩む為、家族を捨てて家を出ることは、外的には捨てた様に見えても、私一人がその道を(神が用意された自分にとって一番いい人生の道を)ゆくことからもれることはなく、それによって家族をも最終的にはひろい上げることになるのだということも知らねばなりません。
 又、人生において肉体を通じて生きることのできる期間は限られておるわけですし、そして、その間というものが人、一人にとっての人生の中で霊界においての期間と比べあわせたならば、又どんなに短い、ほんの一瞬にしかすぎないことでしょう!!その限られた期間内にどう生きるかによって、本当に長い長い霊界での人生をランクづけ(位置づけ)られてしまうわけです。

甲第一五七号証 ○○○○○実践トレノート 一〇頁
 なんか信じられません。自分がコース決定してS一したなんて・・・。なぁーんにも私やっていないから。ゲストを見ていると、すごく霊界を感じるのです。ゲストは二六歳と私より七つぐらい年上なのですが、本当に子供みたいなんです。こんな見ず知らずの私を信じてついてきてくれて、そして私に悪い悪いってあやまるんですよね。すっごくこんな年下の子供にたよって・・・すごく自分自身ふらふらしていられないって思ったんですよね。

甲第三七四号証 原告Q受講ノート二 三四頁
 アブラハム教訓
@ 人間責任分担不履行→み旨は延長→より大きな蕩減条件。
A 祭物を裂く→各自供え物の立場で善悪を分立。

乙ハ第五五号証 原告証人a 新生トレーニング 新生日記 一〇月二三日
・国際情勢
 最終的にこの地球を、また、この人類を救えるのは真の父母様であり、統一原理しかないと思った。
 またそれ以上に、地球の基軸が三度程ずれているらしいが、このままいくと二〇三〇年までに北極と南極がひっくり返ってしまうということだが、その原因はストレスにあるらしい。すなわちこのエゴ=罪を越えるものでなければ、地球の滅亡は止められないということを思ったとき、本当に真の父母様とみ言の偉大さを感じた。

(五) 組織につなぎ止められる。

平成九年七月二五日付 原告証人b証人調書 二六頁〜二七頁
その活動の中で、精神的な圧迫感とかストレスというのは感じないんでしょうか。
ずうっと感じ続けていると思います。
どんなストレスがあるんですか。
私自身が一番大きかったのは、氏族のメシアだという意識で、自分が実績が上がらなかったり、何か神様に逆らうようなことがあれば、家族がけがをしたりとか病気になったりとか何か不幸になると思っていたので、協会に逆らえなかったと思います。

7 エリート意識
自分たち以外の人たちを「救い」の対象とみて、自分たちだけを特別なエリートと思うようになってくる。したがって、他者との間に心理的壁を作ることになってしまうので、その組織につなぎ止められる方向に働く。

平成八年一〇月一一日付 原告A証人調書 七八頁
統一協会の外の非原理の人たちをどのように見るようになるんでしょうか。
真理を知らない者として、自分より低い位置で見ていたと思うんですけれども、私たちが救ってあげなければならないというふうに見ていました。
自分たち統一協会員のことについてはどう思いますか。
選ばれた者というふうに思っていました。

甲第一五七号証 ○○○○○実践トレノート 一頁
 友達としゃべっている時とか、北海道にこうしていられるのもとか、日本の失敗知らないんだろうなとか色々考えてしまいました。本当に私達しかいないんだなということを実感しました。

8 終末意識−切迫感を持つ

乙ハ第四〇号証の六 原告証人a たぶん終末論についての感想文
今の時を、終末ですと思いますか? YES
 文化の急激な発展などからして、やはり終末だと思った。また、何が善で、何が悪かという基準がないという点からしても終末だと思った。

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月五日
・講義の感想(終末論)
 ビデオセンターで見たときよりも、終末という意識がはっきりしてきたと思う。本当に終末にきているんだなぁと思う。しかし、聖書にも書かれているように、今の世界は崩壊してしまって、それから悪のない地上天国がメシヤを通して築かれるのだろうか。今のこの世界はこれからどうなるのだろうか。

乙ハ第四六号証 原告証人a ライフトレ新生日記 六月二四日
・講義の感想(神の摂理と人間の努力)
 本当に九二年までは本当に大事で、また、日本の摂理が崩壊してしまうと、大変なことになるということも知った。やはり、み言と現実の世界のギャップはあまりにも大きいが、そこは希望を持ち、神の摂理どおりに信じて前進していくしかないとも思った。これからは本当の意味で自分の責任分担であると思うので、バックにはいつも神や先祖がついていることを信じ、進んで行きたいと思う。今現在が本当に大切なときだと思った。


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札幌青春を返せ訴訟・最終準備書面
 弁護士 郷路征記